ペルシャ絨毯の通販サイト【数寄の絨毯】| 分かりにくいペルシャ絨毯の質と価格の関係を丁寧に解説。  適正評価による適正価格での販売を心掛けています。ペルシャ絨毯の商品価値、美的価値をご理解いただいてから、お買い求めいただけるようご提案させていただいています。

カーシャーン(カシャーン)は古くから工芸の街と称され、陶芸をはじめ染織、絹織物など、傑出した手工芸の技術を誇ってきたところとして知られてきました。絨毯制作においても、王室の絨毯工房が設置された16世紀サファヴィー朝以降、つねに主導的役割を果たしてきました。深い味わいをもつ赤と濃紺を主色に、落ち着きのある中間色を交えて織り上げられた本作も、こうしたカーシャーン(カシャーン)の優れた伝統を受け継いで制作された逸品と見受けられます。

図柄はゴルアーン(コーラン)の表紙の装丁に由来するといわれ、また、宇宙やイスラームの世界観を表現したものともいわれる伝統柄のメダリオン・コーナー・デザインでフィールドの中央には、ハシュト・ゴルと呼ばれる花文モティーフを核とした八芒星のメダリオンが置かれ、その周囲をハーターイと呼ばれる花文モティーフが埋め尽し、四隅のコーナーには、アラベスク花文のモティーフと…いった具合に、カーシャーンの伝統柄とも言える、メダリオン・コーナー・デザインの王道を確保しています。メインボーダーも、細かな文様が密に織り込まれた凝った意匠で、カーシャーン(カシャーン)らしい上質な絨毯に仕上がっています。

制作年代は1980年代。作品番号9084-138とペアで制作された絨毯と見られ、サイズは207x132㎝。織り密度は1㎝角に6×6=36kn(ノット)。ペルシア絨毯の一般的クオリティー指標であらわすと42RAJ相当で、80年代当時の作品としては最上質な調度品絨毯に位置付けられ、また、正確に織リ込まれた様々な文様、モチーフから、カーシャーン絨毯のクオリティーの高さから伺える優品として、高く評価されています。