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執筆者の写真数寄の絨毯

ペルシア絨毯の素材/絹(シルク)に関する雑学1

絹は独特の輝きと艶を有し、その華麗さから宮廷用の絨毯としても尊ばれてきました。絹糸(生糸)は蚕と呼ばれる特殊な蛾の幼虫がつくる繭から採取され、イランでも古くから産出し、1885年、ヨーロッパから蔓延した蚕菌病(ペブリン)による蚕の絶滅騒ぎが起こる前までは、イランの主要輸出品でもありました。今日、絨毯づくりのための最良の絹はカスピ海周辺地域、ラシュト近辺からもたらされるといわれ、中でもソウマエサラーの絹が最上とされています。また、絹はパイルだけでなく、経糸としてもよく使用されています。これは、同じ直径のウールや綿の糸と比較すると、張力に抗してより強靭であるためで、都市の緻密な織りの絨毯には最適の素材となっています。かの、アルダビール絨毯の縦糸にも、絹糸が用いられています。

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